柑 橘無茶々園の柑橘栽培
無茶々園は故郷の未来を案じた若者たちが畑を借り受け、有機栽培の実験園を作ったことから始まります。この若者たちの取り組みは徐々に地域へと広がり、共通の栽培指針を定め無茶々園らしい「みかんづくり」を営んできました。
柑橘が実を結ぶのは1年に1度だけ。やむをえず農薬を使用することがあっても、1年に渡る栽培期間中最低限に抑えるように取り組んでいます。端麗な見栄えと引き換えに、安心感と生命力のある農産物を作り出していきます。
無茶々園の成木園栽培方針
- 除草剤や化学肥料は使用しない。
- 農薬はゼロからスタートし、
なるべく少ない回数に抑える。 - 病害虫の発生がある場合、
まずは有機栽培で使用可能な天然物由来の農薬で対応する。 - それでも抑えきれない異常発生時のみ
有機栽培基準外の農薬を最低限の仕様で対応する。
化学農薬の使用について
無茶々園ではできるだけ農薬に頼らない柑橘栽培を行っていますが病害虫の発生により収穫量が大きく減ってしまったり、樹が枯れるほどの被害が見込まれるような場合には、最低限の化学農薬を使用します。
カミキリムシ
カミキリムシは成虫が枝や葉っぱを食害するだけでなく、幼虫が幹の内部を食べて成長します。幼虫が食い込んだ樹は弱り、枯死も珍しくありません。
カミキリムシが入りやすい品種やまだ幹の細い若木の園では農薬で対応する必要も出てきますが、それだけではなく成虫の捕獲や天敵を利用することで個体数を減らす取り組みも行っています。
カメムシ
針のような口を果実に差し込んで内側の果汁を吸い取るため、果肉を損なって食味が著しく低下します。成熟が進んだ果皮の柔らかい早採りみかんや温州みかんから被害がはじまり、発生が著しい場合にはポンカンなどの中晩柑にも広がっていきます。
近隣のヒノキ林が主な発生源であり、柑橘園では有効な対策ができないのが難しいところです。
傷は自然と共存した証
無茶々園のみかんには、まだ花の下に隠れている子房の時期に昆虫からつけられた傷や、自然界にある菌によってできた黒い点やカサブタ状のものがついています。農薬を使用することで抑えることができますが、食味には 影響がないため、無茶々園では農薬による防除を控えています。
とはいえ、極端に外観の悪いものは選別で取り除いております。傷や黒点は自然と共存した証としてご理解いただければ幸いです。
箱の中身も自然のままに
青果物はサイズ分けして流通するのが主流ですが、本来、同じ樹になった果実であっても一つとして同じものはありません。無茶々園では40年来、極端に大きいものや小さいものを除き大小込、サイズ分けをせず箱詰めしてきました。
栽培方法と同様 “できるだけ自然に近い形を大切にしたい” という想いで行っています。大小様々、果実一つ一つの個性をお楽しみください。
「見た目の良い物」や「サイズを揃えてほしい」といったご要望には応えにくいのですが、ご贈答などにお使いの際は無茶々園の栽培方針や取組を紹介している品種紹介チラシの他、詳しく記載したパンフレットを添えてお送りすることも可能です。
みかんは皮をむき中身を問題なく召し上がっていただくことが第一。無茶々園のみかんはどうしても見栄えが悪くなりますが、外観が重視される市場流通よりも皆さんの理解を得ながら直接お届けすることにこだわっています。